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執筆者の写真Yasushi Kuroiwa

「いったんは反発も、日銀の動向は注視」~2/1(夕刊)

 本日の日経平均は 427.66 円高の 28091.05 円で取引を終了した。朝方はやや軟調スタートとなったものの、その後は徐々に上昇幅を拡大。引けにかけて一段高となった。相場を牽引したのは、指数寄与度の大きい銘柄。ソフトバンク G(9984)やファーストリテ(9983)などが大幅高となり、日経平均型が優位の展開となった。先物が主導した面もあるだろう。


 日経平均の日足チャートでは、「毛抜き線」が出現。教科書では「底入れ」のシグナルとな るが、果たして本当にそうなのか・・・。下方の窓をまた少し埋めただけの反発となっており、 それはそれなりに評価できる動きだ。

 ただ、本日の上昇幅は先週末のそれには届いておらず、アヤ戻しの印象。チャートの弱気形状に変化はなく、下振れリスクは残っている。短期的には上方の窓(28360.48 円―28542.00 円)までの戻り余地はあるものの、ここでの売り圧力は非常に強い。下方には依然として「4つの窓」が残されており、株価を強烈に引っ張る可能性があるのだ。投資家は本日の上昇は「アヤ戻し」として認識し、引き続き「売り」で対処するしかなさそうだ。


依然としてチャートは崩れたままとなっているが、市場は「隠れた悪材料」を織り込み始めているようだ。それが何なのか現時点では分からないが、色々推測することは自由だろう。変異種なのかワクチンなのか、はたまた緊急事態宣言の延長なのか・・・。


 なかでもちょっと怪しいのが、日銀の動きだ。日銀は3月にかけて「政策点検」を行うとしており、場合によっては長期金利の上昇を容認するかもしれない。デフレ下の金利上昇はご法度だが、審議委員のなかから「金融機関の収益のためには、金利上昇はやむを得ない」という意見も出ているのだ。足元で長期金利がジワジワと上昇しており、それが日本株にダメージを与えている可能性がある。日銀による債券買い入れ額の減少、いわゆるテーパリングを行われる可能性もあり、それが日本株下落の要因になっているのかもしれない。日経平均のチャートの崩れが明確なだけに、日銀の動向は注視する必要がありそうだ。

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