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執筆者の写真Yasushi Kuroiwa

「もみ合いスタートも、いずれ上方の窓を目指す」~12/30(朝刊)

 昨日の米国株式相場は高安まちまち。ダウ工業株 30 種平均は 90.42 ドル高の 36488.63、ナスダック総合指数は 15.51 ポイント安の 15766.22 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28805 円付近での推移。したがって、本日の日経平均はもみ合いスタートを想定。前日の終値近辺で寄り付くと思われる。


 日経平均の日足チャートでは昨日、上下にひげが出現。下方の窓を完全に埋めたことから、強い調整一巡感が漂っている。改めて上方の窓を目指しやすく、徐々に上値志向を強めるだろう。短期的には 500 円程度の上昇余地があり、来年早々にも実現すると思われる。

 本日はいよいよ大納会だ。足元、オミクロン株の拡大など、懸念材料はあるものの、総じてリスク要因は織り込んでいる。新興市場への売り圧力も徐々に減退し、割安になった小型株には再評価の動きが強まりそうだ。一部、年初の需給改善を見越した買いも入り、大引けにかけて強含む動きが期待できるだろう。


 恐らく、年初には相場環境が一変すると思われる。新年入りで新規資金が入りやすく、多くの銘柄に水準訂正が起こるだろう。


 その際の注意点がいくつかある。それは「指数は上昇するけど、個別では急落するものがある」ということだ。米 FRB のテーパリング(量的緩和の縮小)が遅れたことで、思わぬインフレを招きやすい。そういったなか資産価格が上昇し、生き残った銘柄は意外高となることが考えられる。


 その一方で、米金利上昇が企業コストの増大を招き、米ハイテク株などの成長株には上値抑制要因として働くだろう。物価上昇に耐えられず、企業業績が悪化するものもあるだろう。米国の一部の成長株が経営不振に陥り、それが日本株へも悪影響を及ぼす可能性がある。銘柄の選別色がより明確化するということだ。投資家は企業業績がしっかりしているものに注目し、そういった銘柄のポートフォリオを持つようにしたい。


 ちなみに為替レートは、一時的に円安、そしていずれ円高に傾く可能性が高い。日米金利差の拡大が円安・ドル高を招き、その後、米インフレ率の上昇が購買力平価の観点で円高・ドル安を引き起こすというわけだ。為替は、まずは短期要因である金利差で動き、時間が経つと、長期要因であるインフレ格差で動くということになる。

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