本日の日経平均は 2.0 円高の 29685.37 円で取引を終了した。終日、先週末の終値前後の動きとなり、方向感は極めて乏しくなった。日経平均のローソク足では十字足が出現。強弱感が対立しており、もみ合い相場が継続している。東証一部の売買代金は 2 兆円そこそこ。閑散相場が続いており、手掛かり材料も少ない。
「窓・壁・軸理論」では引き続き、上方の壁が意識される動き。基本的には「弱気相場」であり、株価は下落しやすい。現在はボックス上限に位置しており、今後はボックス下限に向かうことが予想される。500 円程度の下落余地があり、投資家はそのつもりでトレードする必要があるあろう。
本日、日経平均を支えたのは、半導体関連株だ。先週末の米国株式市場で SOX 指数が約2%の上昇。東京エレク(8035)や信越化学(4063)などが上昇した。その一方で、相場の 上値を抑えたのは、指数寄与度の大きい値がさ株。ファストリ(9983)やソフトバンク G(9984)が下落した。
また、ビットコインの急落で仮想通貨関連は軒並み安。コロナ感染拡大を嫌気して、業種 別騰落率では空運、陸運の下落率が大きかった。
そのようななかで気を吐いたのが、直近上場銘柄の紀文食品(2933)だ。約20%の上昇と なっており、個別銘柄で売買代金第6位となった。新しい銘柄だけに手垢がついていないほか、その知名度も株高に貢献したのだろう。全体相場がもみ合い相場となるなか、消去法的に買われた面もある。東京株式市場は、そういった「局所的な戦い」にもなっている。それだけ全体相場がダメということになるのだろう。
日米首脳会談を終えて、秋までには国民の大半がファイザー社のワクチンが打てる流れとなっている。しかし、市場はこれをあまり評価せず、どこかで疑っている面もあるのだろう。「本 当に日本にワクチンは入ってくるの?」「どうせまた遅れるんじゃないの?」的な疑いがあり、どうやら信用していないフシがある。大阪では 1 日の感染者が 1200 人超え。過去最多を更 新しており、非常事態宣言を要請するに至っている。東京もそれを視野に入れているようであり、底流には「本当にオリンピックやるの?」的な感じにもなっている。後手を踏み続ける政治に国民は辟易としており、9 月末に総裁任期を迎える菅首相がその前に「悪あがき解散」を断行する可能性もある。オリンピックの成否に関係なく、政治日程は詰まっており、それを予感した「見切り売り」も当然予想されるのだ。確か「セルインメイ(5月に売れ)」という相場格言もあった。チャートは「下方向」を示しており、今はそのような「前兆パターン」にもなっている。
<マーケット・ストーリー>
ただ空中を浮遊するビニール怪獣。なかでは弛緩した空気が漂っている。「ちょっと休憩。おでんでも食うか」「当然、飲み物は豆乳」――「まったく合わないよ」「なんだこれ。全部、紀文製品じゃねぇか――」
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