「一段高、上方の窓に引き寄せられる」~5/28(夕刊)
本日の日経平均は 600.40 円高の 29149.41 円で取引を終了した。朝方から買い優勢となり、上値を試す展開。主力株を中心に上昇幅を拡大させる展開となった。
日経平均の日足チャートでは、窓を空けて上昇。スピードが一気に加速しており、先高観が強まっている。目標となっていた上方の窓には届かなかったものの、それに接近する形。株価が窓に引き寄せられており、多少の上昇余地を残す格好となっている。

東京株式市場で期待感が集まったのは、米財政支出の大きさもある。バイデン政権は6兆ドルの巨額予算を要求しており、それで景気敏感株が刺激された格好だ。多少の米金利高はこの際、大目に見よう――そんな雰囲気が漂っている。また、アジア株の堅調な推移も日本株には追い風。足元の円安歩調もプラス材料に働いている。
日経平均の日足チャートでは、上下の窓に挟まれた格好。短期的には「ボックス相場」を描きやすく、その窓埋めの順番に焦点が移ることになる。
一番、強いのは上方の窓を素直に埋める動き。その後、さらに上昇突破するパターンだ。次に強いのは上方の窓埋めのあと、いったん下方の窓を目指す展開。決して弱いわけではないが、需給を重視した順調な株価上昇であると言える。
そしてもっとも弱いのが、上方の窓を埋めず、下方の窓を下抜けてしまうパターンだ。これは一連の上昇相場が終了したことを意味し、改めて売りポジションを構築しなければならない。
ただ、現時点では「強気形状」であることは間違いないことから、「買いポジション」は継続。その強弱感を測る局面となる。株式市場は足元で複数の悪材料を消化した感じ。新たな売り材料が出てこなければ、売り方の買い戻しなどで上昇しやすい状態となっている。上昇はどこまで続くか分からないが、投資家はこれについて行くしかないだろう。
<マーケット・ストーリー>
全員助かったのかー―。新鮮な空気とともに、根拠のない楽観論が流れこんできた。空気の入れ替えが終わったら、最初に上の窓、そして下の窓を閉めることになるのだろう。もしかしたら、順番が逆になるかもしれない。