「上方の窓埋めで強い達成感、動きは重症」~6/30(夕刊)
本日の日経平均は 21.08 円安の 28791.53 円で取引を終了した。朝方は堅調推移となったものの、買い一巡後は上値の重い展開。高値圏での戻り売りの強さを示唆している。
日経平均の日足チャートでは、上方の窓を上ひげで完全に埋める動き。典型的な「戻り売り局面」であり、これ以上の戻り余地はない。株価は「窓理論」の法則2「売り」のパターンとなっており、今後は下値を試す動きとなるだろう。
もちろん下方には目指すべき窓が存在してない。需給要因で下方向に引っ張られているのではなく、軸の傾き(下向き)に従って動いていることになる。しかも、下方にテクニカルの壁(需給の壁)が存在しており、本来ならば、株価を押し上げる効果がある。それに反して下落しているのであり、チャートは「かなり重症」ということになる。

「窓・壁・軸理論」では上方に2つ壁が存在していることになる。現時点ではこれは両方「ファンダメンタルズの壁(割高の壁)」ということになり、その水準が明確に切り下がっていることを意味している。これは徐々に理論株価(目指すべき株価)が下がっており、株価が暗に「下方向」に引っ張られていることを示唆している。中長期的な株価の方向性は「下向き」ということになり、投資家はそれを前提にトレードする必要がありそうだ。
その原因となっているのが、足元のコロナ拡大にあるだろう。東京都では感染者が5月26日以来の700人超え。再拡大の懸念が強まっている。変異種の拡大、オリンピックの開催など懸念材料も多く、将来的な経済的ダメージ、医療崩壊なども懸念される。それが秋の政局につながる可能性があり、それがチャートに表れているのだろう。投資家は「売りポジション」を持ちながら、その「下落の勢い」を見極めることになる。
<マーケット・ストーリー>
右手を伸ばし何かをつかみかけたが、完全に空振りに終わった。あとは重力に引っ張られるだけ。ただただ死を待つのみだ。途中、引っ掛かりそうな障害物は存在しない。まずは地面に叩きつけられるのだろう。