本日の日経平均は 167.54 円安の 29020.63 円で取引を終了した。朝方は軟調スタートとなったものの、その後は下げ渋る動き。下方の窓を埋めたことで、強い調整一巡感が台頭。押し目買いの動きが広がった。ただ、4都府県での緊急事態宣言を控えているほか、週末要因で投資家の物色意欲は乏しい。東証一部の売買代金は 2 兆円そこそこであり、基本的には閑散商いだ。終始、小幅な値動きに留まっており、相場は膠着状態を続けている。
日経平均の日足チャートでは、上下の壁に挟まれた形。下方の窓を埋めたことで、今度は上方の窓(29361.28 円―29530.84 円)を埋める順番となる。短期的には 500 円程度の上昇余地があり、来週早々にも埋めることになるだろう。
ただ、引き続き「違和感」が残るのも事実である。なぜならば、下方の壁の出現が、日銀 ETF 買いによってもたらされたからだ。「意図的な買い支え」によって、相場の水準が維持された可能性が高い。なので、もしこれがなかった場合には、相場はあっさり崩れていたと思われる。
注目の日本電産(6594)は 5%を超える急落となった。本格化する企業決算の先導役となっていたが、期待ハズレの業績見通しに投資家は失望売りで反応した。それでも全体相場への影響は限定的であり、市場の雰囲気を悪化させるには至らなかった。昨日の日経平均の急上昇によってすでに底値を確認。そういった安心感もあったのだろう。
投資家は「買いポジション」を維持しつつも、相場をかなり疑ってみる必要がある。決算発表が進むにつれて、株価が「下方向」で反応する可能性が高まっているからだ。もちろん野村 HD(8604)など、すでに悪材料が出たものは、逆の反応を示すかもしれない。そういった強弱感を順次、把握しつつ、どこまでリバウンドするのかを見極める局面だ。上方の窓まで戻らなかった場合には、チャートは最終的に下方ブレイク。大幅安の可能性が高まることになる。
<マーケット・ストーリー>
穴が2つしか開いていないおもちゃ。先に左から出て来たので、ハンマーで思いっきり叩く。だから、今度は右に違いない。「なんて簡単なゲームなんだろう」「えっ?エライ人の話?そんなの聞いてねぇよ~」―-子供たちはもぐら叩きゲームに夢中だ。
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