先週末の米国株式相場は小幅安。ダウ工業株 30 種平均は 8.69 ドル安の 34746.25、ナスダック総合指数は 74.48 ポイント安の 14579.54 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28100 円付近での推移。したがって、本日の日経平均はやや堅調スタートを想定。上値を試すものと思われる。
ただ、日経平均の日足チャートでは先週末、上方の窓を上ひげで埋める形。わずかに窓を空けて上昇したものの、強い達成感が漂っている。この付近には新たなファンダメンタルズの壁⑤が出現した可能性があり、執拗に上値を抑えられることになりそうだ。
市場で買い安心感を生んでいるのは、岸田首相が金融課税に関して当面は触れないと言及したことだ。日米ともにキャピタルゲイン課税に対して警戒感が広がっていたこともあり、市場はいったん安堵の表情を浮かべそうだ。
ただ、日経平均のチャートの弱気形状に変化はなく、必要に上値を抑えられやすい。買い一巡後は値を消す展開も予想され、十分な注意が必要だ。
あとは足元の円安傾向がどう株価に影響を与えるか。1ドル=112 円台前半での推移となっており、ジリジリと円安が進んでいる。米金利上昇を先取りした「金利裁定」のような動きだと思われるが、これが本格的な円安・ドル高を生むかも焦点となる。
あとは原油価格の上昇。NY 原油先物は1バレル=80 ドル付近となっており、これが経済にどのような悪影響を与えるか。また、インフレ指標としても重要であり、価格の上昇は米金利上昇の原動力となるかもしれない。FRB が物価上昇を制御できない可能性もあり、その点を注視する必要があるだろう。投資家はとりあえず「売りポジション」を持った状態で、その行方を見守ることになる。
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