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執筆者の写真Yasushi Kuroiwa

「大幅高も、弱気相場は脱せず」~5/18(夕刊)

 本日の日経平均は 582.01 円高の 28406.84 円で取引を終了した。堅調スタートとなったあとは、さらに上値を試す動き。外国人買いとの観測もあがっており、大型株、景気敏感株を中心に上昇する展開となった。


 日経平均の日足チャートでは大陽線が出現。リバウンド歩調が強まる形となっているが、わずかに上ひげを残す形。「窓空け上昇」などの明確な買いサインも出現しておらず、「アヤ戻し」の域を出ていない。投資家は「下落相場のなかの一時的な戻り」と認識すべきであり、上 昇したところは「売り局面」となる。

 相場を押し上げたのは、アジア株の堅調な動きもあっただろう。特に台湾加権指数は5%以上の上昇となっており、リバウンド急となっている。これまでコロナを抑えていた「優等生」だったものの、ここにきて急速に感染が拡大。経済へのダメージが心配されていた。その株価が買い戻されたことで、市場に買い安心感が広がった。


 投資家は相場に底打ち感が匂うなか、シビアに戻りを売って行く局面となりそうだ。足元で米インフレの高まり、同時に米長期金利の先高観、そして日銀のETF買わないといったことに変化はないからだ。株価が短期的に上昇しても、それは「買い戻し」の域を出ていない。明確な買いサインが出るまでは、「売りスタンス」を維持するしかない。


 また、オリンピックが中止になるリスクも考えておかなければならない。経済的なダメージは「織り込み済み」であるものの、開催の権利をIOCが握っており、米マスコミの放映権に金銭的な首根っこをつかまれている。世論がいくら騒いでも、中止にできない政府・東京都の事情があるのだ。仮に強行開催となり、感染の拡大、医療崩壊へとつながれば、現在の政権支持率が一段と低下することになりかねない。市場は経済的ダメージよりも、「政治の不透明」を嫌う可能性は十分にあるのだ。チャートが引き続き「弱気形状」を維持するなか、そういった「潜在的なリスク」を見逃してはならない。


<マーケット・ストーリー>

「アレは何だ!鳥だ!飛行機だ!いやクジラだ!」―-宙に浮いたビニールの塊が、そう見えたのだろう。白と黒のコントラスト――ということは次の瞬間・・・そうなるのか・・・。

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