本日の日経平均は 699.50 円安の 27448.01 円で取引を終了した。朝方から軟調スタートとなり、その後は徐々に下落幅が拡大。連日の大陰線となった。とりあえずの目標となっていた一番近い窓(27600 円台)を突き抜けたことで、さらに先安観が強まる展開。下方の比較的大きな窓(27196.40 円―27340.46 円)に接近しており、これをスムーズに埋める動きになりそうだ。
下落の要因となっているのが、米長期金利の上昇。これによって成長株に売りが出ており、日本株にも悪影響を与えている。それに日銀がまったく ETF を買わないこと。日経平均・TOPIX が連日の大幅安になっているにも関わらず、一向に買いの手が出てこない。日本株は完全に見放された感じだ。
黒田総裁は国会で、「緩和を減らすことはまったく考えていない」と発言。これがさらに疑念を抱かせる動きにもなっている。実際に「ステルス・テーパリング(隠れた緩和縮小)が行われているのではないか」と投資家が疑心暗鬼となっており、それが売りに拍車をかける展開となっている。
もちろんちょっと前には、「日銀 ETF 買いは相場に押し上げに寄与していない」との議論もあった。しかし、実際には日銀が ETF 買いによって相当、株価を押し上げた公算が大きく、そのタガが外れた格好だ。「売らないにしても、買わないなら下がる」という見方が有力となっており、投資家たちが我先に売りを急いでいる格好だ。
株価は明確な底入れ感が出るまで、このままズルズルと行くだろう。とりあえず下方の大きな窓で下げ止まるのか焦点。これをブレイクすれば、さらに下押しすることになる。
<マーケット・ストーリー>
ビルの谷間を自由落下するビニール塊。緊急用のセーフマットも用意されておらず、ただただ重力に従う格好となっている。「このままだと激突死する!」―-内外で心配の声が上がっているが、現時点では成す術がない。
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