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執筆者の写真Yasushi Kuroiwa

「軟調スタート、米 CPI は予想通りの内容」~1/13(朝刊)

 昨日の米国株式相場は上昇。ダウ工業株 30 種平均は 38.30 ドル高の 36290.32、ナスダック総合指数は 34.94 ポイント高の 15188.39 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28625 円付近での推移。したがって、本日の日経平均は軟調スタートを想定。下値を試すものと思われる。

 注目の 12 月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比で7%増の高い伸び。約 40 年ぶりの高いインフレ率となったものの、これは市場の予想通りの結果。過度な金融引き締めの警戒感が後退しており、長期金利は年 1.7%台前半での落ち着いた動きとなっている。為替相場は円高・ドル安で反応しており、国内輸出関連株にとってはややネガティブな内容。米銀行株にも利食い売りが出ており、日本株も足元のリバウンドムードが一服しそうな雰囲気だ。


 日経平均の日足チャートでは昨日、前日比 500 円以上の大幅高となった。しかし、チャートの弱気形状に変化はなく、あくまでも「アヤ戻し」の域を出ていない。大きな目で見れば「三角保ち合い」が煮詰まった状態となっており、将来的に大きく放れることが予想される。チャートが弱気形状なので、現状は「下放れ」を警戒する場面であり、消去法的に「売りポジション」を維持するしかないだろう。


 米消費者物価指数の高止まりは、「持続的」であると考えたい。米セントルイス連銀のブラード総裁は「年4回の利上げの可能性」に言及しており、米 FRB の金融引き締めスピードが遅いことを暗に示唆している。昨日の米長期金利は消費者物価指数が予想通りだったことから落ち着いた動きとなっているものの、再び予想以上のインフレ進行となれば、米金融引き締め論が強く台頭してくる。これが長期金利を押し上げ、為替市場はドル高・円安で反応することになりそうだ。


 ただ、米インフレ率の加速は購買力平価を押し下げ、将来的にはドル安要因として機能する。為替相場は「円安→円高」となりやすく、投資家はその反転ポイントを見極める必要がありそうだ。現在の円安基調はしばらく続くが、その後は、急速な円高に見舞われることを肝に銘じておきたい。

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