本日の日経平均は 591.83 円安の 28508.55 円で取引を終了した。朝方から米株安を受けて下落しており、その後は下値を試す動き。売り一巡後は下げ渋ったものの、終始、安値圏での値動きとなった。新型コロナウイルスの拡大が続いており、3都府県で緊急事態宣言が発せられようとしている。経済への悪影響が懸念されており、投資家は見切り売りを強めている。
日経平均の日足チャートでは、連日の窓空け下落。下値メドとして意識されていた窓下限 (28821.83 円)を下回っており、まったく歯止めがかからなかった。
本来ならば、この水準で需給が逆転したはず。結果、それを無視して下落したことで、「相場の弱さ」が改めて露呈されている。軸は大きく下向きに傾いており、下方の壁は消滅した可能性が高い。
足元、焦点となっているのが、日銀 ETF 買いだ。連日の株価下落にも関わらず、日銀 ETF 買いが入ったとの観測はまったくなかった。「日銀はステルス・テーパリング(隠れた緩和縮小)を行っているのではないか?」との見方が浮上しており、市場の関心事を集めている。ただ、実際には 701 億円買っていたが、その効果はあまりなかった。株価の下げを抑えるだけに留まり、市場に買い安心感を与えることはなかった。
あと、市場が気にしているのが、本格化する決算発表だ。明日には日本電産(6594)があり、ここでの業績見通し、それと想定為替、あとは永守会長の発言に注目が集まっている。「先見性のある経営者」としての評価が高く、多くの投資家が参考にしている。最近のコロナ禍での業績見通し、彼の「見立て」に関心が集まることになりそうだ。そしてそれが株価にどう織り込まれて行くのか――その辺が注目となる。
もちろん投資家は引き続き「売りポジション」を維持しなければならない。最終的には「ボックス相場」となる可能性はギリギリ残されているものの、相場の方向性は明らかに「下向き」。急落のリスクがあり、それを警戒しなければならない。日経平均の下方には複数の窓が口を開けて待っている。最悪、7段目の窓下限(23320 円)まで下落するリスクがあり、そういったことを念頭に置いておかなければならない。
<マーケット・ストーリー>
「ヤバイ、急降下だ!例のアレは用意されているのか?」「例のアレと言いますと・・・」「ふとんだよ、ふとん!ETFだよ!」「ああ、あのイマージェンシー・テンダー・フトンのことですね・・・ はい、用意されています」「ちょっと薄くないか・・・本当に大丈夫なのか・・・?」
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