Yasushi Kuroiwa

2021年7月19日2 分

「窓空け下落、すでにテクニカルの壁は崩壊か」~7/19(夕刊)

 本日の日経平均は 350.34 円安の 27652.74 円で取引を終了した。朝方から売りが優勢となり、一時は下落幅が 500 円を超える場面もあった。その後はやや下げ渋る動きとなったが、結局は窓を空けて下落。相場の弱さを露呈する形となった。

 「窓・壁・軸理論」では、下方の壁に対して窓を空けて下落する動き。これまでは下方にテクニカルの壁(需給の壁)が存在していたが、それを無視する形で下落している。たとえるならば、これは山側に向かってジャンプするようなもの。下りならば容易にジャンプできるが、この逆はかなり難しい。逆の言い方をすれば、すでに山は消滅している(壁が消滅している)可能性が高く、投資家はそれを強く意識しなければならない。

 当然、相場を押し下げているのは、コロナの感染拡大。それが政治不信を生み、秋の政局を予感させている。菅政権の支持率が危険水域といわれる 30%を割り込む事態となっており、これが今後の政治をかなり不透明にさせている。もし、安心安全を目指していたオリンピックで何かが起これば、国民は菅政権に容赦なく引導を渡すことになるだろう。与党敗北・政権交代が強く意識され、株式市場は間違いなく下方向で反応するだろう。

 日経平均のチャートが危機的となったことで、投資家は引き続き「売りポジション」を持つ必要が出てきている。もちろんこの後、すぐ下方にもう一度、テクニカルの壁が出現する可能性は十分にある。もし、日銀が1か月ぶりに ETF 買いを入れるようなことになれば、いったん安心感が台頭。押し目買いを入れる雰囲気が出てくる。そこが短期的な焦点となっており、すべては「日銀だのみ」ということになる。もし、それがなければ完全に「自由落下」となる。投資家はしっかりとシートベルトを締め、株式市場から振るい落とされないようにしたい。

<マーケット・ストーリー>

そろりそろりと足を突っ込んだが、案の定、「ズブッ」といってしまった。「やっぱり底なし沼か・・」、このまま座して死を待つのか、それとも秘策はあるのか・・・。あがけばあがくほど深みに嵌まってしまう。

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