Yasushi Kuroiwa

2021年7月26日2 分

「買い一巡後は伸び悩む、弱気形状は継続」~7/26(夕刊)

 本日の日経平均は 285.29 円高の 27833.29 円で取引を終了した。朝方は買い先行となったものの、その後は徐々に上値の重い展開。戻り売りが優勢となり、上昇幅が縮小する流れとなった。

 日経平均の日足チャートでは、連日の陰線が出現。ザラ場での売り圧力の強さを示唆しており、投資家が積極的に上値を追えないことを意味している。

 焦点となっていた前回の窓上限(27847.35 円)は突破ならず。弱気形状が続いており、一連の調整相場は継続中となった。目先は下方の窓を目指す展開が予想され、再び値を消す動きになるだろう。

 株価の上値を抑えているのは、明らかに東京の感染拡大だ。昨日は新たに 1763 人の感染者が出ており、日曜日では過去最多となっている。このままオリンピックが続けば、さらに悪化するのは間違いなさそうだ。感染の拡大が続ければ、経済悪化、医療崩壊が視野に入ってくる。足元では内閣支持率の悪化が顕著となっており、市場は政治リスクを意識し始めている。市場は政治的な不透明感を極端に嫌い、「売り」で反応するのが常。将来的な下落リスクがあり、その点には注意をしたい。

 あと、今週気を付けたいのが、GAFAM の決算発表だ。アメリカ有力企業の決算の期待値は非常に高く、場合によってはネガティブに反応する可能性がある。現時点でそれほどリスクは高くないが、何せ株価は最高値付近。いつ急落しても不思議ではない状況にある。

<マーケット・ストーリー>

たとえ石の上に這い上がったって、そこにはオイル、バター、バナナの皮など滑りやすいものだらけだ。体勢が整う可能性は低く、そのまま池に引きずり込まれるだろう。

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