Yasushi Kuroiwa

2021年4月30日2 分

「軟調推移、連休前で処分売りが優勢」~4/30(夕刊)

 本日の日経平均は 241.34 円安の 28812.63 円で取引を終了した。朝方から軟調スタートとなり、その後は徐々に下落幅を拡大。連休前の最終売買日ということもあり、投資家の処分売りの動きが広がった。東証一部の売買代金は3兆 1000 億円程度。見切り売りがやや強かったことを意味している。

 そのようななか、本日上昇が目立ったのは、海運、鉄鋼などの景気敏感株であった。世界の貿易量がコロナ前に回復したとの報道もあり、経済正常化への期待が高まった。

 あとは決算プレー。富士通(6702)、サイバーエージェント(4751)が好業績で急上昇したものの、ソニー(6758)は7%を超える急落。足元の業績は絶好調だったものの、今期の営業益が 4.3%の減益予想となっており、成長性を期待する投資家の失望売りを誘った。

 日経平均の日足チャートでは、陰線が出現。上値の重さを示しており、かなり怪しげな動きとなっている。現在はボックス下限での値動き。上方の窓に向けて動くのが「本線」であるが、実際にはそうなっていない。ギリギリ「強気形状」を維持しているものの、何か「下方向」に引っ張られている感じとなっている。軸が緩やかに「下向き」に傾いている可能性があり、投資家は警戒する必要があるだろう。「買いポジション」を維持するものの、「下放れ間近」のチャート形状となっている。「売りサイン」が出たときには「急落」の可能性があり、投資家は身構える必要があるだろう。

 投資家は連休中、「まな板の鯉」となる。海外市場が急変した場合にも、まったく対応できず、損益を彼らに依存するしかないだろう。

 ただ、逆に海外市場で何もなければ、投資家たちの心配は杞憂に終わり、間違いなく上方向で反応する。どちらに転ぶか分からないが、投資家は「買いポジション」を持ったまま、連休を迎えることになる。

<マーケット・ストーリー>

まったく肉を入れる気がないようだ。すべてが終わったかのように平然と返って行く。「長期休暇に入りますので、しばらくは無理です」――そう背中が語っているようだ。「こうなったからバンズを開けたままで待ってやる」――長期戦も辞さない構えだ。

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