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「インフレで注目のセクターは…」~黒岩の眼

 <日本にもインフレの波が・・・> 

 世界的な物価上昇が続いている。新型コロナによる供給制約、そこにウクライナ戦争が加わって、世界的な物不足、あらゆるものの値段が上がっている。世界の穀倉地である「ロシア、ウクライナから小麦が来ない」「世界的な半導体不足で自動車が作れない」―-あらゆる面に影響を及ぼしている。ロシアへの経済制裁によって原油価格が上昇。戦争が長期化すれば、さらに価格が上昇する恐れもある。日本はここ30年インフレとは無縁だったが、いよいよ我が国にも物価高騰の波が押し寄せてくることになりそうだ。

<スーパーなどは値上げラッシュ>

4月に入ってからスーパーの食料品の値上げが目立つようになってきた。原材料、包装用紙、輸送費―-あらゆるものの価格が上昇しており、さすがに「値上げしないとやっていけない!」と悲鳴を上げている。これまでは企業努力によって価格転嫁を抑えていた企業も、「もう我慢の限界!」とばかりに価格を一斉に引き上げている。これまで企業物価指数の上昇は確認できていたものの、いよいよ我々の買う値段(消費者物価指数)にも影響を与えることになりそうだ。

<30年ぶりのインフレには理由がある>

日本で約30年ぶりのインフレになるのは、それなりの理由がある。その大きな理由のひとつが、円安が進行しているからだ。米国がインフレ対策として金利引き上げを示唆しているものの、日本は一向に重い腰を上げようとしない。日銀が金利上昇を押さえつけ、その分、日米金利差が拡大しているからだ。「お金は高いほうへ流れる」という習性があるように、金利が高い米ドルを買い、金利が低いままの日本円を売る傾向が強まっている。こういった「金利裁定」が円安・ドル高を促している。もちろん円安の進行は輸入物価の上昇を促し、モノの値段が高くなる。原油高に加えて円安が進行。ダブルパンチでモノの値段が上がっているのだ。

<貿易赤字も円安の一因>

原油価格の上昇によってもたらす変化がもう一つある。それは貿易収支の悪化だ。足元、貿易赤字が膨らんでおり、これが円の価値を貶めている。これまでは貿易黒字、経常黒字だったことから、「円は安全な通貨」とみられてきた。それが貿易赤字に転じたことで、日本からお金が逃げやすくなっているのだ。これも円安を加速させる要因となっている。

<足元の円安は持続的な物価上昇を示唆か>

このような円安・物価上昇の流れは、持続的となる可能性が高い。足元では日米金利差の拡大では説明できないくらい、為替市場で円安が進行。「日本の将来の物価上昇(インフレ)」を織り込んで動いているようだ。


<インフレで資源・材料価格は上昇>

そのような「インフレ時代」に注目されそうなのが、資源・材料関連の銘柄だ。ウクライナ戦争が長引き「脱・ロシアの流れ」が継続。原油価格も上昇傾向を続け、国内でインフレが加速することになれば、当然、全般的に資産価格が上昇する。企業によってはそういった「値上がりしそうなもの」を仕入れ、加工、販売している。仕入れ価格の上昇はやむを得ないが、製品価格への価格転嫁が進めば、それなりの利益を生むはず。企業によっては製品価格が市況に自動的に連動するため、いわゆる「取りっぱぐれ」がない。仮に仕入れ先にロシア・ウクライナが関係なければ、今回の侵攻の影響は限定的というわけだ。

<資源価格の上昇で評価益?>

それに資源価格の上昇は、在庫の評価益につながる可能性がある。実際、どれくらいの効果があるかは未知数だが、この手の原材料価格が上昇すれば、それだけ評価益が生まれる可能性がある。銘柄によってはインフレがかなりの追い風。株価急上昇の起爆剤になるかもしれない。

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