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「円安・停戦などを好感、権利付き最終日」~3/29(朝刊)

 昨日の米国株式相場は上昇。ダウ工業株 30 種平均は 280.09 ドル高の 21684.97、ナスダック総合指数は 112.33 ポイント高の 7396.25 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 27975 円付近での推移。したがって、本日の日経平均は堅調スタートを想定。上値を試すものと思われる。


 日経平均の日足チャートでは昨日、下影陰線が出現。売り一巡後に下げ渋っており、押し目買い意欲の強さを示唆している。高値圏での推移でやや上値が重くなっているが、チャートの強気形状に変化はない。本日は堅調スタートから上値を試す動きとなりそうだ。

 本日は 3 月、9 月決算企業の権利付き最終日だ。駆け込み的な配当狙いの買いが入る可能性があり、それ自体はプラス材料だろう。明日には権利落ちとなり、日経平均で約 230円程度、下落することになる。チャート上では窓が空きやすく、場合によっては弱気形状に変化するかもしれない。そういった中での「強気姿勢」維持である。


 市場の関心事はもちろんウクライナ紛争の停戦交渉。これは恐らく何らかの合意があるのだろう。東部ドンバス地方をロシアが支配下に置く――そのような結論になりそうだ。ただ、紛争が完全に終わるわけではなく、一部でゲリラ戦などが展開されるのだろう。それでもマーケットの関心は徐々に薄らぐことになる。


 あとは、足元で進んでいる急激な円安だ。ロンドン市場では1ドル=125 円台に乗せる場面もあり、一部で投機的な動きも出ているようだ。その原因となったのが、日銀による指値オペである。長期金利 0.25%を超えさせない金融緩和策を維持しており、市場には「日米金利差がさらに広がる」という思惑が強まっている。これが金利裁定を生み出し、円安を加速させている。奇しくも為替は1ドル=125 円付近で止まったが、これは「黒田ライン」と呼ばれているもの。2015 年 6 月に黒田総裁が「かなり円安水準」と語ったことで、これが「円安の下値メド」と考えられているからだ。目先は黒田総裁の「口先介入」があるのかどうかが焦点となる。


 あと、市場が気にしているのは 4/1 の日銀短観であるが、これはウクライナ紛争の影響もあり「かなり悪くなる」という見方が広がっている。それを理由に専門家の一部は「株は上がらない」としているが、これは株価と経済指標の関係で言えば、まったく逆である。影響を及ぼす経路が「経済指標→株価」ではなく、「株価→経済指標」だからである。株価の方がはるかに「先行性」が高く、先に経済指標を予想して、株価の動きを予想するのことはまったく意味がない。ここらへんのコメントは一切、無視するべきだろう。

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