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「軟調スタート、底なし沼の底を探りに行く」~7/19(朝刊)

 先週末の米国株式相場は下落。ダウ工業株 30 種平均は 299.17 ドル安の 24687.85、ナスダック総合指数は 115.90 ポイント安の 14427.24 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 27675 円付近での推移。したがって、本日の日経平均は軟調スタートを想定。下値を試すものと思われる。

 日経平均の日足チャートでは先週末、窓を空けて下落。弱気相場が鮮明になっており、下値を試しやすい状況となっている。ローソク足ではやや上ひげが長い十字足が出現。上方の窓を「埋めない窓」として認識した可能性があり、一段と警戒感が強まっている。


 「窓・壁・軸理論」では「上方に窓・下方に壁」という位置関係。一時的には上方の窓を埋めやすいものの、本日の寄り付きはそういう動きにはなっていない。下方のテクニカル壁に挑戦する形となっており、一段と先安観が強まっているのだ。下方の壁が徐々に消滅する可能性があり、投資家はそれを警戒しなければならない。


  株価を押し下げているのは、コロナの感染再拡大だ。今週末にオリンピックを控えていることもあり、その動きがさらに加速する恐れがある。東京の1日の感染者はすでに 1000 人超え。さらに増加する事態となれば、経済的危機、医療崩壊を招く恐れもある。それがオリンピック期間中に継続することになれば、政権へのダメージは深刻なものとなる。政治リスクが株価を押し下げ、下方の壁の崩壊は時間の問題となりそうだ。投資家は「来るべき急落」に備えるべきだろう。


 そういった世界的な経済危機の証左となっているのが、米長期金利の動向だ。すでに年1.3%付近まで低下しており、景気減速もしくは後退を織り込む水準となっている。米消費者物価指数が年 5.4%に上昇するなか、足元のインフレ加速が顕著となっている。通常ならば「利上げ期待=金利上昇」となるところだが、マーケットはその先を読んでいる。米中などではすでに景気がピークアウトした可能性があり、そういった危機感が債券市場に表れているのだ。当然、株式市場にもそういったネガティブなイメージが伝播することになるだろう。投資家は引き続き「売りポジション」を持ちながら、「底なし沼の底」を探りに行く局面となる。

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